トリビア
日本でも人気の観光地のグアムやサイパンらへんの島々が「マリアナ諸島」と呼ばれていることは、地理好きの人々からすればよく知られたことだろう。 マリアナ諸島付近には世界で最も深いとされる「マリアナ海溝」があることでも有名である。
さらにサイパンや周辺の島々のことが「北マリアナ諸島」と呼ばれることにも地図をよく見ると気づける。ここで目ざとい人々は 北マリアナ諸島があるのに南マリアナ諸島が見当たらない ことを不審に思うことだろう。
なぜ"南マリアナ諸島"は存在しないのだろうか。
答え:グアムがデカすぎるから
マリアナ諸島の中では実はグアムが破格の面積と人口を占めている。 グアム島の人口は約17万人(2023現在)で、そのほかの北マリアナ諸島全体では5万人に満たない。このためマリアナ諸島をうまいこと分けようとすると最南端のグアムのそれ以外、というのがバランスがよく見える。 これにより「マリアナ諸島、ただしグアムを除く」のことを「北マリアナ諸島」と呼んでいるのだ。
そのため"南マリアナ諸島"という単語はあえて用いられない。強いて言えば"南マリアナ諸島とはグアム島のことである"と強弁できないこともないが、1島で諸島というのもなんだかなと思われるのでやはりこの言い方はふさわしくないだろう。米国の行政区分としてもこの呼び方は採用されていない。 同様の理由で"東マリアナ諸島"も"西マリアナ諸島"も存在しない。
ただし西マリアナ海嶺は存在する。これは「マリアナ諸島のちょっと西にある海底の山嶺」であるためにこう呼ばれるのだ。

図:マリアナ諸島の地図、マリアナ諸島・北マリアナ諸島・グアム島の関係
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