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2023/06/25

同人ゲームはどれぐらい売れる? DLSiteでの販売数の分布を数えた

タグ:ゲーム 雑学

ゲームを作り始めてどうしても気になるのはやはり売り上げの予測である。 生計を立てるつもりならもちろん、趣味作でも「このゲームは完成した暁にはどれくらい売れるのだろう……?」 というのはモチベーションにかかわる問題だ。
むろんあなたの作品がどれくらい売れるのかは事前情報なしには予測できない。 しかし「同人ゲームがある売り場で平均的にはどれくらい売れているのか?」であれば 集計できる。ここでは売上数を公開してくれているDLsiteのデータを手で集計したので、ゲームを販売するときの目安として参考になれば 幸いである。なお集計ミスがありうること、また売り上げは日々刻々と変化しているので、 あくまで参考程度に留められたい。

調査結果の梗概

  • DLsiteでは2023/06/25現在約26,000作の男性向けアダルトゲーム作品、約3,000作の全年齢向けゲーム作品の出品がある
  • 男性向けアダルトゲーム作品全体の売上本数は平均1644、中央値413、最頻値5
  • 全年齢向けゲーム作品全体の売上本数は平均344、中央値29、最頻値0
  • 1,000本以上売り上げるのは男性アダルトで8141作(31.3%)、全年齢で140作(4.6%)
  • 同様に100本以上売り上げるのは男性アダルトで18278作(70.3%)、全年齢で839作(28.0%)
  • 同様に10本以上売り上げるのは男性アダルトで23683作(91.1%)、全年齢で2105作(70.2%)
  • 1本も売れていないのは男性アダルトで25作(0.1%)、全年齢で303作(10.1%)


調査の詳細

調査のためにはDLsiteのゲームランキングのページにてソート方法を"発売日が新しい順"に してからページネーションをたどりつつ各作品の"販売数"欄を目視することで行った。 チェックした日は男性アダルトは249ページ、全年齢は31ページもあったのでこれは なかなか堪えた(笑)。

データをcsvに保存した後、それぞれの販売数分布をプロットすることで可視化した。


図:DLsiteにおける販売数分布、縦横軸はそれぞれで合わせていないので注意

分布の詳細を見る前にまず驚くべき傾向はDLsiteにおいてはアダルト作品が全年齢の10倍以上 販売されていることだ。 同人全体では、例えばコミケではR-18ジャンルは全体の30%ほどといわれているように、 アダルトは必ずしも支配的な割合を占めている訳ではないことを考えると これは独特の傾向でありそうだ。 ゲームにおいては全年齢向けならSteamなどより大きい売り場があるためかもしれない。

さらに販売数分布を解釈していくと、どちらも正の方向に裾の長い指数型の分布をしている。 これは販売数を増やすのはそもそも難しく、希に驚異的な高販売数を記録する作品があるものの、 売れない確率の方が高い、といった事情が背景にあるようだ。 とはいえ最頻値に違いがある点は興味深い。 全年齢では残念ながら最頻値は0、すなわち「一本も売れない作品が最も多い」といえる。 これに対し「5本売れる確率が1本も売れない確率より高い」ということでもあるから、 これなら少しは手に取ってもらえるのではないか?という期待が持てる。

なおこれに関して「そもそも男性アダルトの方が平均の作品クオリティが高いのではないか? もしクオリティの低い作品を 出してしまったら売れないのは変わらないのではないか?」という疑念は残る。 私の見る限りでは全年齢のより男性アダルトのほうが作品そのもののクオリティが概して高いということはないように思う。

ではある程度高い販売数を記録することは、どれくらい希な事象なのだろうか? これを調べるために次に累積分布を調べた。これは「販売数がx以下である作品は、y本である」 を満たすx, yをプロットしていくことで「全作品のうち何%は何本を売り上げることができた」 か見えるようにしたものである。


図:DLsiteにおける販売数の累積分布、縦横軸はそれぞれで合わせていないので注意

なお分布の裾が長く値を上限までプロットすると見づらくなるので、最大のビンだけ幅を大きくとり そのためにそこだけ度数が大きいように見える。

なお作品メタデータの内、今回は販売数のみに注目した。 実際には作品の分量・標準プレイ時間やジャンル、価格が販売数に 影響を与えることが考えられる。 今後さらに詳しい調査をだれかしてほしい(他力本願。


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